STAND!!
音源は以前から聴いていて本当に大好きだけど、ジャケ写も本当〜〜〜に好きで好きで……
ジャケットのこの白んだ色合いと真っ赤などっしりとした題字、表面はドライなのに実は内側で赤く燃えているような、このアルバムの曲群に対する印象とかなり一致しているから最高なんだろうな
しかもSTAND!!なのに落ちてる(笑) 逆じゃん
フジの中で一番好きなジャケットかもしれない
1.FREEDOM
これは本当にフジファブリック?
歌っているのは総くん?
一曲目から見事に頭を殴られた気分
だってタイトルから想像つかないじゃないですか
アルバムのオープニングが、最終電車で独りなすすべなく「君」に強く想いを馳せる歌だなんて
しかもこの人、寂しさで少し狂いそうになってませんか?「君と眠れたはずなのに」まで言ってしまっている…
やけくそな、駄々っ子のような、ひきずるような歌い方もそう
実は私はこういった系統の曲が異常なまでに好き、というか執着してしまう節がありまして
他に思い浮かぶものだと、フジファブリックの「ロマネ」、メレンゲの「夢の続き」がこの系統にあたるのですが
夜は人を狂わせる、そこに「君」の不在が重なると、恋しさが加速してしまう
そういう、夜に「君」を想って寂しさに狂ってしまう男の曲に本当に弱い……
アルバムの一曲目にこんなの持ってこられたらもう、たまったもんじゃない
それからサビ前で差し込まれる鋭い稲光のようなギター、これも荒む心に拍車をかけているように聞こえてすごくしんどい
このリフだけで状況次第では2時間くらい泣き続けられるな 本当に
あとファルセット
最終電車という現実的な舞台が最初に提示されているにも関わらず、いたって幻想的なこの曲
その景色を作っている要素の中では、このファルセットが大きな役割を担っている気がする
こんなにがっつり聴けることもこれまでなかったので大きな衝撃でした
「これまで見ていた夢は これから照らす光さ」
総くん、なんて素敵な言葉を生み出すんだろう
Water Lily Flowerの「幾重の願いは…」の部分にも通じる考えなのかな とも思う
Green Birdと同様、曲名をスタジオの名前から取る行為というのは、制作サイドだけが知っている、リスナーには手の届かない何か高い次元のものを含んでいるような気がする
スタジオと曲が呼び合う感覚、作り手は感じ取ることがあるんだろうか
2.SUPER!!
この高揚感しかない高らかなイントロに導かれて発される最初の言葉が「洗いたての朝さ」なの、もう天に昇るような気持ちになってしまうな!?まさに最高 もうこの時点でタイトル回収
歩く、加速する、走って、跳び上がる
足を羽ばたかせるようなドラム、大好きです
FEVERMANツアーで初めて聴くことができて、間奏の3人並んだ尊い光景と、3人の動きに合わせて腕を一緒に振れた愛しい思い出が今も頭の中で鮮やかに生きていて、たまに取り出しては泣きそうになる
「君を忘れはしないよ」で上を見上げるのを見ると、ああ、今日もありがとうと思う
3.Green Bird
空回りした挙句の失恋で破れかぶれ感、最高です
「溢れるくらい注いだ心に これっぽっちも嘘なんかない」
嘘がなかったのは良いことだけれど、きっと何か方法が間違ってたんでしょうね
この男性が独りよがりだったんじゃないかなとか想像する
最初聴いたときはま〜〜それはそれはびっくりしました
特に最後の「残像」のアレンジ
ある程度他の曲を聴いていて、免疫のついた状態で聴いたことが幸いだったのと、コーラスだけが長く残るアレンジが救いかもしれない
これは受け入れられる人と受け入れられない人、まあ別れるわなと思う
かっこいいので今ではすっかり虜です
ライブで声を張って歌う姿、早く見てみたい
4.炎の舞
好きだ〜〜〜〜〜〜!!!!!
初めて聴いたときから決めていました
獰猛に齧りついて、言葉の末尾を吐き捨てるようなぶっきらぼうな、でも熱い歌い方、ご自分の声が武器だってこと、もう分かってますよね?
重心を下に置いた太く男らしいこの発声はBOYS以降に聞けるようになった気がする
声にドライな加工がされているのも素晴らしい
「運命のバカ」なんて、露骨にストレートに言えるようになったなんて、ものすごく嬉しい
言いたくなる時ってあるよね
蛇足かもしれませんが、クリープハイプの「かえるの唄」とのリンクを節々に感じるのも楽しいです
炎の中で遊ぶし、カエルがジャンピンするし、
「あ、なんならバックホーム?」と「ハチの巣にされればいいんでしょ」の姿勢が似ている気がする
5.have a good time
加藤さんのタイトル詐欺シリーズ
(シリーズとはいってももう一曲前進リバティがあるだけですが)
この曲のいう"good time"って何なんでしょうね
「泥水を泳がされているような」って相当酷い状況
「働きたくない」をテーマにした曲のサビの冒頭で「もう嫌なんだ〜〜〜!」って叫ぶの、最高すぎますね
こんなに露骨に苦痛を叫ぶのは加藤さんにしては珍しいのではないですか
「落ちるところまで落ちたらあとは上がるだけ」と加藤さんは仰っていて、その言葉に説得力を出せるのは一度底を見たフジのメンバーだからだよな…とも思ったり
ボーカルのみが残りスパッと切られる終わり方も初めての試みで、これまたドキドキさせてくれる
6.プレリュード
ピアノで作った曲だな〜〜!というメロディー
違ったら面白いですが
ウキウキご機嫌に見えるけど日々のちょっとした不安は隠せない、でも総じて穏やかなサウンド
イントロ聴くとサイドステップ踏みたくなるのって私だけでしょうか?でしょうね
始めから終わりまでギターフレーズまるごと好み
小鳥が鳴いてるみたいなピアノも好き
「左へ右へ」の直前のベースも好き
私はペーパードライバーなので、車を運転しているこの曲の情景はあくまで非日常的
将来運転するようになったらまた聞こえ方も違ってくるのかもしれないな
7.COLORS
滑るような美しい歌い出しからの「さよならを言わなきゃ」の「きゃ」の音の外し方が、ああ総くんの曲だ、と思ってにんまりする
失われていってしまう「青さ」について総くんに相談をしたのは、KANA-BOONの誰かだったか
曲たちが聴き手に渡ればもうそれらは聴き手のもの、と本人たちは仰っているのでそれに甘んじて色々想像を巡らすけれど、やっぱりバンドのことを歌っているのかなと思わざるをえない
特にBメロの歌詞
「弾むままに日々を歩いた」、あの慌ただしく楽しく過ごした5人、4人の日々のことかなあ
サビなんてもう、そのままの気持ちに思える
失われるものを止めることはできなくて、手のひらからこぼれて消えていく
手紙でも「変わってくことは誰の仕業でもない」と歌っているように
でも忘れない限りは思い出せる
「なくしてしまった気がする」と思い出せるということは、なくしたくない気持ちが自分の中にちゃんとあるということ
「青さ」って何だ
惰性で生きている私には考えれば考えるほどわからなくなる
8.ポラリス
https://momotopool.hatenablog.com/entry/2019/05/12/142939
アルバムにおける既出のシングルというものは、曲順を間違えると意図せずして変に目立ってしまうリスクをいつでも抱えている
でもこの曲は次曲と連なって華やかに盛り上がってクライマックスを作り、the lightで着地してさらに新しい地平を見せる、という流れを起こす、いうなれば終盤のエンジン的立ち位置
COLORSから繋がるというのがいいんだな、擦りむいたままそっと歩き出すような流れ
その名のとおり道しるべみたいな曲だ
9.Girl!Girl!Girl!
アイドルですね!違いますが
総くんの王子様系アイドル気質が全開じゃないですか…これは総くんだからこそ出来ること
恋するパスタと同様、歩きながら聴くと回ってしまうウキウキハッピーソングですが、「白い胸」やら「長いキス」やら耳を疑うワードは総くんの中坊的メンタリティのあらわれか
歪んだギターが良いバランスをとっていて、そのおかげで一筋縄ではいかないサウンドになっていて、ただのアイドルにはなっていないところが安心ポイント
あなたたちはフジファブリックですもんね
10.the light
暗中模索 という言葉が浮かぶ
「見えない波」 「寄せて返す不安 足が止まる」
確かに先は見えない
灯台は規則的に向こうを照らすけれど、「見えた」と思ったらすぐ暗くなってしまう
でも隣には確かに「君」の存在がある
だから、今見えている、照らされている所の先までもっと超えていける
薄靄のかかったような幻想的な世界を描いたサウンドだけれど、そこには秘めたる熱が確かにある
散々語っておいて何ですが、リスナーとしては、この言葉と音を信じていれば大丈夫なんだなと思う
ダイちゃんによるこの曲の解説がまるごと大好きなんです
他の曲の解説ではあまり真面目さが感じられなくて(失礼)、他のメンバーは真面目に語っているのにダイちゃんったら何なのさ…と思わせておいて、最後の最後であの言葉ですよ………フジを愛する誰もが、最も望んでいること
あんなに強い、嬉しいメッセージ、アルバム最後の曲に乗せられてしまったら、もうたまらなくなる
私はダイちゃんのそういうところが、たまらなくニクいなあと、わかっててそうしてるんでしょうと思ってしまって、どうしようもなくなることがたびたびある 恐ろしい人です