うどんの谷の睡蓮

すきぴ専属ポエマー

F

 

インスタで字数制限に跳ね飛ばされるのも、ツイッターで連投を重ねて心苦しくなるのもアレになってきたので、これからはここに書くことにします

 

 

フラゲ日にガガガっと書きなぐったものをもとにしているので、タイムラグ等あります

 

 

フジファブリックの新しいアルバムの発売を、発表の日から待ちわび、予約し、フラゲをする というのはVOYAGER以来のことでした

人生何があるか本当にわからないんですね…

 

 

音も映像もアートワークもすべてがフジファブリックだ、というのが最初の大きな印象

 

再生ボタンを押すことでおもちゃ箱をひっくり返し、曲ごとに全く異なる様々な輝きを手にとって眺めるような、見事に各曲が濃厚なアルバム

 

初めて聴いた時はイヤフォンをつけてベッドに寝転んで目を閉じていたけれど、自分の呼吸の音すら取り払いたいくらいでした



 

1.Walk On The Way

 

ぬくもりと光を感じる、朝日そのもののようなアルバムの幕開け
円熟していながらも瑞々しい印象は、Mellowで初めて聴いたときと変わっていません


総くんの歌声、ほんと素敵になったよなあ

太く、丸く、それでいて透明感は消えることなく、間違いなくこの声は彼のもの


「ああ 僕もそこに連れてって」 でどきりとした
「そこ」、志村のいるところ、でなければ「志村の見ていた世界」なのか
総くんは昔から志村の見ていた世界に憧れがあったのだろうかと思うことがある

あんな天才を隣でずっと見てきたのだから、それはそうかもしれない

それでも、「ここにしかいれないけれど 心の中でずっと 転がっていけばいい」と現状を受け止め前を向く

そこが私の好きな彼の気質でもあります

 

彼が志村が作った曲をライブで歌うことは年々増えているけれど、どの曲に対しても、時が熟すまで、自分がその曲を納得して歌えるようになるまで待ち、何度も真摯に向き合って歌い重ねる、という丁寧な姿勢が常にあるように見える

 

彼が自信を持ってその曲を歌えるようになった時は、ファンもそれを受け入れられる時というふうになっていて(個人差はあると思いますが)、それが他のバンドにはないような特別な見えない関係を作っているような気がする

 

志村の不在やその他のたくさんの壁に、辛くてもしゃがみこみたいのを堪えて(いたのかどうかはわかりませんが)、歩きながら考えることを彼らは続けてきた
そして止まることな歩き続けてくれていたから、フジを知らなかった人たちが彼らに出会い、志村の曲に出会い、私もまた出会い直すことができた
フジファブリックのこれまでとこれからの歩みの歌

 

 

2.破顔


生命力に溢れまくったプリミティブなファンファーレ
新体制のフジには聴き手を鼓舞してくれる曲が増えたんですね

バンドが進んできた中で新たに広げた枝葉のような曲


外で聴くとうっかり泣きそうになって、

この曲を聴いた私に恐れるものは何もないと思える
PVがあまりにも解釈一致なのでフル公開してほしいのですが……

毎回鳥肌と涙があふれるくらいアウトロが好きなので、YouTube版にアウトロを入れてくれたのが唯一の救いでした

最後の一音の余韻までフジファブリック

 

 

3.手紙


コーラスとストリングス厚めの城ホ仕様


「もう何年も切れたままになった弦を 張り替えたら君ともまた 歌えそうな夕暮れ」を総くんは幾度となく経てきたのだろう

 

総くんが「手紙」を作ったことについての、音楽と人 2019年2月号 p21のダイちゃんの発言にすごく感動した

人一倍強い「何かを失うことへの恐怖」に、「手紙」を作ったことで向き合うことができた

だから「手紙」は等身大の曲になった

前からわかっていたことだけれど、ダイちゃんと加藤さんの2人はフロントマンのことをこれでもかというくらいしっかり理解して支えている

優しい人格者のダイちゃんと加藤さんが、志村や新たにフロントマンとなった総くんの側にずっといてくれて本当によかった それは逆も然りですが


だから、「離れた場所でも大事な友を見つけたよ」のところで横から支えるように入る2人のコーラスで、より一層心がギュッとなる こんなの泣くしかないじゃあないですか


満員の城ホで、感極まって歌えなくなる総くんを見る日がくることを強く願っている

 

 

4.LET'S GET IT ON


イントロで大爆笑 ふざけまくり

この曲を変わり目にフジ専売特許の変態ゾーンへ 方向転換エグすぎ

 

試聴時からときめきが止まらなかった曲ですが、試聴用にトリミングされたサビが唯一まともで、サビ以外がさらにキモいなんて…完全にはめられた


私の知っている、歌うことに対して多くの不安を隠しきれていなかったようなかつての彼が、今これでもかというくらい歌声を武器にしてぶん回している

これは本当に山内総一郎さんですか?


Mellowのときに歌声を聴いて気づいたのですが、私は総くんのフォールやがなりが大好物らしいです

なので「レリゴゥ↓」でいくらでも泣けます

 

 

5.恋するパスタ


自分の新婚ストレート惚気ソングを総くんに歌わせるダイちゃんヤバでは?好きだ…
歩きながら聴いてると高確率で回りそうになる究極のウキウキハッピーソング
恋人を自分のこよなく愛するパスタに見立てる発想、最高すぎる…

 

 

6.Feverman

 

試聴時に「レレレのレ…」と思ってしまったことはとっくに闇に葬りました
両〜の手〜を振って返し押して返し!一回聴いたらすぐ歌えちゃう
こんな名前のついたツアー、踊れないわけがないじゃないですか!?楽しみでいっぱいだ…

 

 

7.High&High


ハイそしてハイになってひたすらずーっと走ってる曲、「世界中が止まって見えてきた」レベルまでいっちゃってる、、


こういうイケイケドンドンな曲を作るのは総くんかな、と思ったらなんとダイちゃん!驚いた
あなたもイケイケドンドンなのか?と思ったら、レコーディングが佳境に入って常に何かやってて忙しいなあと思って作った曲とのこと

レポート締め切り直前のあの謎の高揚感が馴染み深い大学生にはとても共感できる曲

お疲れ様です…………

 

ダイちゃん、ライブで間奏のとこ絶対暴れてほしい

 

 

8.前進リバティ


個人的に完全ダークホース
タイトルが発表されたとき、Feverman→High&Highときてこのタイトルだからアッパーチューン3連発かと思いきや…めちゃめちゃに騙された


太陽の男・山内総一郎に「先が暗い 見えやしない」とか歌わせる加藤さん、サイコ〜〜〜すぎる


「線路は続くの?どこまでも」はあまりにも秀逸
できないものはできない、どうにもならないことはどうにもならないと認めることを肯定してくれる歌詞が加藤さんの曲には多いと思うのですが、それってなかなか稀有な優しさだとも思うんです


転調も歌詞も変化が急すぎてJOYの残り香を感じました

 

 

9.東京

 

Mellowで初めて聴いたときに既にストレートをくらったことも合わせて書いておきます

タイトルから、手紙のような、節目になるようなメモリアルソングを想像していた私

「似た立ち位置の曲を、この節目のアルバムに2曲入れるの??」と思っていたのですが………あまりに鮮やかな裏切り!

ゴテゴテした妖しい東京
総くんにとっての東京、こうきたか!

斜めの角度からの視点がなんともフジファブリックらしくて勝手に嬉しい


生まれた経緯が経緯なだけに、曲の圧倒的なかっこよさ、お見事

背景も相まってこんなに格好良い曲、私は他には知らないです

 

 

1stアルバム『フジファブリック』とともにバンドの名前を冠するにあまりにも相応しく、

彼らは今も昔も、フジファブリックの音を作ってきた3/5人ないしは3/4人だったことを

改めて実感させてくれるようなアルバム

戻ってきて初めて発売を待って聴いたアルバムがFって、ちょっとすごいのでは ただただ嬉しい